Adobe After Effects ユーザーのための支援ファイルセット

QE

AE ピックアップ機能

AEのちょっと便利な使い方:タイムリマップのSE編集

映像を画(え)と音で分ければ、コンポジットツールのAfter Effectsは当然、画の方に重きを置いた制作になると思われる。そのためSE(効果音)のサウンドやオーディオデータの扱いは、AEよりハンドリングがよいビデオ編集アプリで合わせるのが一般的かもしれません。そのため、あえてSE処理はAEで行わないユーザーも多いのではと考えます。

しかし、AEで作成した画によっては音も同時に合わせてしまう方が便利なケースがあります。 以下、AEでタイムリマップを使用したサンプルです。

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サンプルムービーは、すべてのエフェクトとモーション設定がされたコンポジションレイヤーに対してタイムリマップを適用したもの。
タイムリマップはご存知、再生速度の時間伸縮や逆再生をグラフによる直感的なハンドル操作で加減速したり、数値指定で正確に制御できる便利な機能。いわゆる柔軟な尺調が可能な訳です。

このムービーを元にしてビデオ編集アプリで音合わせしようとすると、オーディオデータに加減速を加えることができるサウンドエフェクト搭載のアプリケーションが必要になります。切り刻んだ音に対して一定の時間伸縮を加えるビデオ編集アプリは多いものの、加減速までフォローできるビデオアプリはそう多くないでしょう。そう、音を後付けにすると逆に手間がかかってしまいます。

しかし、AEのタイムリマップ機能はオーディオデータに対しても同様に適用できるので、いたって簡単。
先のサンプルムービーへの適用を例にすれば、タイムリマップを適用するひとつ前のコンポジションに戻り、画に合わせたオーディオデータを配置するだけです。ひとつ前の画と配置した元音は、次の通り。

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これが次のタイムリマップのコンポジションに移ると、こんな具合です。

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画に適用したタイムリマップとオーディオデータがそのままシンクロしたSE効果が演出できます。バッチリ。
他にも、止まったターンテーブルが回りだしてオーディオピッチが徐々に加速してゆくような用途でも同様に処理できます。 知ってると、ちょっと便利!


日時: 2009年07月09日 21:17 | パーマリンク


AEネットワークレンダリングの探究(その1・環境準備編)

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HDサイズのレンダリングは時に途方もなく時間がかかる場合があります。
レンダリングボタンを押した途端の予測時間を見て「上がりが2日後かよぉ。」というような。。

カラコレをしただけ、ノイズ除去しただけとエフェクトが加わる度その処理時間は重くなってゆきます。そもそもAEを通す訳ですからこの手の要素が最低あったりするものです。
そこで、少しでも時間短縮させるための選択肢であるネットワークレンダリングなる機能を取り上げてみます。

広い言葉の意味では色んな解釈ができる訳ですが、ここでいうネットワークレンダリングとは、ひとつの出力アイテムを複数台のPCで分散させてレンダリング処理することを指すとしましょう。

現状PCをパワーアップさせることはまだ考えていないが、遊んでいるPCがあるからそいつにも働いてもらおうという、いわば猫の手でも作戦です。
ただ、この響きの良い言葉は未体験ユーザーにはかなり(?)があると思います。なので思いあたる節からチェックしてみます。

ネットワークレンダリングには準備が必要です。まず、環境整備からです。

––––
▼ 台数分インストールの(?)

分散でAEレンダリングを実行したいPCの台数分、プロジェクト作成時と同バージョン「Adobe After Effects Render Engine」のインストールが必要です。

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使用せずともAfter Effectsフォルダ内にあるのはご存知でしょう。
CS3以降のインストール方法は、インストールディスクから通常のフルバージョン同様にインストールします。After Effectsフォルダ内にある「Adobe After Effects Render Engine」だけの使用に限れば、アクティベーションは不要です。よって台数分のインストールが可能です。(ただしアプリケーション本体を起動させれば、1ライセンス/2台までのアクティベーション制限があります)
Ver.7以前はインストール時に「Adobe After Effects Render Engine」をオプション選択できたと記憶します。(記憶違いならスミマセン)

▼ クロスプラットフォームの(?)

After Effectsはプラットフォーム別にパッケージが分かれているので、Mac・Win・Unixなどクロスプラットフォームで分散させるにはプラットフォーム別のパッケージが必要になります。

▼ フォント・サードパーティ製プラグインの(?)

分散レンダリングしたいプロジェクト内にテキストレイヤーが使用されている場合は、分散させるPCにも同様のフォント環境が必要になります。
Macにしかないようなフォントを使用した場合は、Windowsなどクロスプラットフォームでレンダリングできないことになるのでフォントチョイスには気遣いが必要です。

サードパーティ製プラグインモジュール(エフェクト)も、フォント同様に同モジュール環境が必要になります。コピーのみで使用できるものもあれば、別ライセンスを必要とする場合もあるようです。
––––

以上を踏まえて分散するPC環境を整備します。
もちろんすべての分散用PCがLANで繋がれていなければなりません。

分散させるPC環境を自身の制作環境と合わせるのは結構手間がかかります。
特に使い勝手がよいサードパーティ製のプラグインが知らない間に増えていたりすると、改めて台数分用意するのはひと苦労でしょう。
大体遊ばせているPCは一世代古かったりするとOSやQuickTimeのバージョンといった現行AEバージョンをインストールできる状況に持っていくこと自体が大変だったり、そもそもインストールできなかったり。
Macでいえば、CS4はPowerMac G4/G5はインストールできませんから、踏み切る前に利用AEバージョンのスペックをクリアするマシンか、今一度確認あれ。

次回、それでも分散レンダしたい!
の声を受けてレンダリング設定に踏み切りましょう。


日時: 2009年11月18日 06:28 | パーマリンク


AEネットワークレンダリングの探究(その2・設定/分散編)

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 さて、骨の折れる分散PC環境を準備したところで設定→分散出力に移ります。
ここで「そうなの」と思われるかもしれませんが、
分散レンダリングは連番シーケンス出力に限ります。一般的にTIFF、Targa、PICT、PSD、PNG などになるでしょうか。
.mov や .avi などムービー形式での分散出力はできません。

要は連番シーケンスだとフレーム単位に分散できるという訳です。まぁ、賛否の分かれるところですが、仕様なのでしかたありません。
また、手法はいくつかあるようですが、
以下、CS3を使用したベーシックな設定→分散の手順です。

▼ STEP 01
まずは、すべてのPCからアクセスできる共有ディスクかフォルダを用意します。サーバーがあればそこで構いません。
ディレクトリは自由です。

そこに「Adobe After Effects Render Engine」が出力アイテムを見に行く(監視する)ためのフォルダ(ここでは「Watch」フォルダ)と出力先のフォルダ(ここでは「OUTPUT」フォルダ)を新規に作成しておきます。
STEP01
▼ STEP 02
次に分散レンダリングを実行したいAEファイル(オリジナル)を開きます。 このAEライセンスを持っているPCを仮にマシンAとしておきましょう。
コンポジションから【ムービー作成】でレンダリングさせる出力アイテムをレンダーキューに追加する。
最初に[出力モジュール]からです。連番シーケンスを選択して[OK]する。
STEP02
▼ STEP 03
続いて[レンダリング設定]に移る。連番シーケンスが選択されれば、デフォルトでチェックされている[オーバーフローを使用]を外し、[既存ファイルをスキップ(複数のシステム上でのレンダリングを可能にする)]にチェックを入れ[OK]する。
STEP03
▼ STEP 04
そして[出力先]です。ディレクトリはSTEP 01で用意した出力用フォルダを指定する。ファイル名を設定して[保存]。
STEP04
▼ STEP 05
で、この出力アイテムが追加された状態でファイルをセーブします。【ファイル】→【保存】。

最後にこのAEファイルとすべてのリンクデータを監視フォルダに収集して設定完了です。
【ファイル】→【ファイルを収集】を選択する。
[ソースファイルを収集:]で[すべて]を、[「フォルダの監視」レンダリング使用可能]にチェックを入れ、[マシンの最大数:]で分散PCの台数を設定して[収集]ボタンを押します。
どこに収集するか聞いてくるのでSTEP 01で作成した監視用のフォルダを選択して[保存]する。

監視フォルダにすべての関連ファイルが格納された「(ファイル名称)フォルダ」がコピーされるので、オリジナルのAEファイルを閉じます。
STEP05
▼ STEP 06
では、分散レンダしてもらいましょう。

マシンA以外のPCは準備した「Adobe After Effects Render Engine」を起動して【ファイル】→【フォルダを監視】を選択、どのフォルダを見に行くか聞いてくるので、監視用のフォルダを選択して[開く]。
3、4秒ほど検索して監視フォルダ内に出力アイテムのあるAEファイルが見つけられると、自動的にファイルを開き、レンダリングを開始します。
各PCが同じフレームを作らないようスキップしながら順にフレームをレンダリング処理してゆきます。

マシンAが同じ出力アイテムのレンダリングに参加する場合は、起動しているAEアプリケーションから同様に【ファイル】→【フォルダを監視】で参戦もできます。 
STEP06

ざっとこんな流れです。
気になる点は、やはり分散がシーケンス出力限定ということでしょうか。
もちろん連番シーケンスから再度AEに取り込むなどしてムービーへの展開は可能な訳ですが、やはりどうしても2度手間感は否めないところでしょう。
また、連番シーケンスは非圧縮になるので長尺になるほど大容量のディスクスペースを要することや、ファイルのやり取りでネットワークに負荷がかかる点も留意したいです。

では、分散処理でレンダリングの時間短縮ができる以外に、
このネットワークレンダリングのメリットはというと、AEライセンスを持った作業マシンをより効率的に稼働させることができる点です。

どうゆうこと?かと言えば、

AEアプリケーション本体でレンダリングを実行させてしまうと、レンダリング中は中断しない限り、別のAE作業に使用できなくなります。
でも、時間を要するレンダリングはネットワーク上で他のPCに任せてAEライセンスを持ったアプリケーション本体は常に作業マシンとして使用できるのです。

作業マシンは、監視フォルダにレンダリングが必要なAEファイルをコピー収集・追加してゆくだけで、他のPCは順次レンダリングを繰り返してくれます。
通常のちょっとしたチェック用ムービーやWeb用のエンコードは、ムービー形式の出力アイテムで監視フォルダに入れておけば、ネットワーク上で担当した1台がムービーすべてをレンダリングしてくれます。
ムービーのレンダリングが上がるまで作業マシンは別のAEワークに打ち込み、例えばプロダクションなら、退社する際に作業マシンを溜まったレンダリング作業に参戦させるなどして効率化を計れる訳です。

と、まぁこんな具合で知ってていると便利に使えるので、レンダリングに参戦できそうなPCを遊ばせているユーザーは一度お試しあれ。

あ、そうそう気になる点がもうひとつありました。
監視フォルダを検索しにゆく際に表示されるダイアログ内で、何とも中途半端なレトロTVアイコンがあるでしょ。これ、気になりません?

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日時: 2009年11月20日 05:10 | パーマリンク


AEバックグラウンドレンダリング(Render Engine 備考編)

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 さて、前回「Adobe After Effects Render Engine」を使用するとAEライセンスを持った作業マシンの効率化について書きました。
その流れで、こんなこともできます的な「Adobe After Effects Render Engine」の備考です。ただ、あまりお勧めできないかもしれません。

前回、AEアプリケーション本体でレンダリングしてしまうと中断しない限り、別のAEワークができないことについて触れましたが、Adobe After Effects Render Engine を使うと1台のマシンで、裏でレンダリング・表でAEワークを同時に行うことができるようになります。
そう、まさにバックグラウンドレンダリングです。(下図)

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 方法は前回のSTEPと全く同じです。
ただ、レンダリングするのはネットワーク上のPCではなく、作業マシンにある Adobe After Effects Render Engine を使用するだけです。 AEアプリケーション本体と Adobe After Effects Render Engine は同時に立ち上がるので、このような無茶なこともできます。

ただし、双方ともプロジェクト内容によってそれ相当のメモリ使うことになるので、しこたまメモリを搭載したパワーマシンか、どうしてもレンダリングとAEワークを1台のマシンで並列処理しなければいけない緊急事態限定とか、奨励ケースは少ないと思いますが。。
まー、知ってると有りかも!?


日時: 2009年11月25日 00:04 | パーマリンク


CC Particle World エフェクト不都合(バグ?)情報

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お馴染み定番パーティクルエフェクト CC Particle World でいささか…いただけない不都合を確認しています。(環境:Mac版CS4バンドルバージョンv1.7.1)

致命的なのは2点。パーティクルが交差するかのような気になる点滅と、"Size Variation=0%"(サイズにランダム差をつけない)設定にも関わらず、手前に見えるべき大きいパーティクルが小さいパーティクルより後方に表示されるなどの不都合です。その描画はこんな具合です。


風船のカスタムレイヤーを使用したサンプルです。
パーティクル毎にランダムカラーを反映できるCC Particle Worldの良さを発揮できる最適なケースだった訳ですが、思わぬトラブルです。
また、よ〜く見ると手前にくるべき大きなパーティクルが、後ろで速い動きになっているのでシミュレーションとしてはOKなんだけど、Zポジション表示に問題!と分かります。カメラが引いていると気にならないのですが、寄ったりすると顕著に出ますな。

カスタムレイヤー設定時に起こるのか、Open GLが関係しているのかなど、多くの箇所を疑ってみましたが、特定ケース、回避方法ともに不明です。別環境のWin版CS3でも同様な結果でクリアしませんでした。ただ、今回のカスタムレイヤー&ランダムカラーは本不都合が判明しやすいケースといえるかもしれません。
まぁ、そうにしても大量にパーティクルを生成させるエフェクトな訳でして、設定可能な範囲内でこの不都合は困りものです。

また、CC Particle World はオプション設定から"Force Motion Blur"をチェックしてモーションブラーを適用できる訳ですが、このモーションブラーについても、ん〜問題です。
オンにするとパーティクル全体が透け透けになる傾向にあります。
風船なだけに半透明でも問題はないでしょーとかそうゆう問題ではなく、ぶれ以外に半透明になるのは反則でしょー。(下図)

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まぁ、このモーションブラーに関しては同シリーズのCC Force Motion Blur エフェクトでフォローできたりするのでこの点は目をつむっても、一押しエフェクトのひとつだっただけにこれらの不都合はかなり残念な結果です。

時期After Effects CS5がささやかれる中、今後是非ともクリアして頂きたい諸問題です。


日時: 2010年02月03日 13:17 | パーマリンク


カスタムパーティクルエフェクトNo.1(Trapcode Particular 編)

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今回は Trapcode Particular/トラップコード パーティキュラー(以下Particular)をピックアップしてみたいと思います。数ある市販エフェクトの中でも個人的にお勧めしたいパーティクルエフェクトNo.1でございます。(キッパリ)

もちろんパーティクルエフェクトは標準でも用途別にいくつか搭載されていますが(個々の特長はさておき)、ディテールにこだわったオーダーワークで予定通りの仕事をしてくれたか?と問われると残念なことも多々あるのが現状です。

CC Particle World は丁度いい感じの使い勝手なんだけど、もうひとつ、ふたつ上の精度を望みたいというユーザーには欠かせない機能を Particular は持ち合わせています。ただし、国内サイトでは4.5万円前後のエフェクトなだけにその対価に見合うかはユーザー次第。ということで、 CC Particle World では難しい表現に絞って紹介したいと思います。
キーワードは「ランダム」、テーマは「カスタムパーティクル」です。

静止画像をカスタムパーティクルに適用できるエフェクトは他にもありますが、どうしても薄っぺらい板状のハリボテ表現になってしまいがちです。
例えば、CC Particle World を使用して以下のような桜の花びらのシェイプをパーティクルに適用してみるとこんな具合です。


グラフィックなアイコン目的であれば全然有りの表現ですが、板状なだけにはなびらの動きが少しシャープな印象です。
でも、以下のような少し手をかけたムービークリップ(動画素材)を用意して



Particular でカスタムパーティクル化すると。。


空気感のある舞い散る動きを演出できます。
個々のパーティクルはすべてひとつのムービークリップから生成されている訳ですが、Particular には全11種類の Time Sampling と呼ばれるカスタムパーティクルの再生方法が選べて " Random - Loop " というクリップのスタートポイントをパーティクル毎でバラバラにループ再生してくれる、とりわけムービークリップをいい〜感じに扱える機能があります。

さらにリアリティの表現にはかかせない被写界深度や乱気流もパーティクルに加えることができて、背景の雰囲気に合わせた降らせ方&色調補正(カラコレ)を設定すれば、実写映像を背景に敷いても違和感のないコンポジットが可能です。


CC Particle World もまたムービーレイヤーを扱うための若干の機能を持ち合わせていますが、Particular のような豊富な再生パターン、被写界深度や乱気流といった機能までは搭載しておらず、このようなカスタムパーティクル形状のクリップには不向きです。

ちなみにここでのカスタムパーティクル設定と主要ポイントは以下の通りです。

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特に気が利いているポイントを上げれば、黄色のアンダーラインで引いた基本的な降らせ方などは変更せずに、微妙なパーティクルの生成箇所や再生ポイントなどを数値設定でランダムに微調整できるよう設計されている点です。

図中にも記しましたが、Particular はメジャーなバージョンアップを一度しており、最新バージョン2.0と旧1.5とでは一部表記に異なるところがあるのでご注意下さい。ただ今回の桜の花びらのようなカスタムパーティクル表現ならV1.5でも十分に対応できます。

話ついでに Particular V2について語ると、更なる機能アップを遂げているので注目です。そのいくつかあるメイン機能にはパーティクルが落とす影のON/OFFを設定できるようになったことです。
今回のようなカスタムパーティクルのサンプルで紹介すると。。


このような草の束が成長するクリップを用意して、Particular V2 でカスタムパーティクル設定してみると。。


個々の草の束が後方にある草に影を落とすことができて、草原のような奥行きをカスタムパーティクルだけで表現できるようになります。
参考までに影の落とし方や設定はこんな具合です。

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カスタムパーティクルの再生方法は " Start at Birth - Play Once "(生成されたら一度だけ再生)を選択して、 " Life "(表示時間)を長めに設定、" Velocity "(速度)と " Gravity "(重力)を " 0 " に設定すると、パーティクルを放出しないよう生成箇所で留めておけるので、このような表現も含め用途の幅が広がります。ただこの草原の表現に関して言えばV2.0しか有効ではありません。V1.5で同じことをさせると影が落とせないので、以下のような奥行き感に欠ける結果となります。

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続いて Particular のカスタムカラーの柔軟性についてチエックしてみます。
オブジェクトによっては形状が同じでもカラーは何色か着色したいケースなどがあります。
例えば、風船や花といったモチーフものです。この様な場合は以下のように適用前にグレースケールのクリップ素材に変換して Particular を適用します。

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このようにグレースケールの濃淡を生かしてカスタムカラーを着色できます。
パーティクルタイプで " Splite Colorize "を選択すると、 Set Color 以降の一連がアクティブ状態になりカラー設定が効くようになります。ここではカラーそのものが変化しない " Random from Gradient " を選択して " Color over Life " 内のグラデーションからランダムに色を拾うよう設定できます。

この風船の表現は前回 CC Particle World で不都合に見舞われたケースです。見事な安定感でクリアした訳ですが、ただひとつだけ残念な点があります。以下、グレースケールのままの描画と先のランダムカラー設定を比べると分かるのですが、この着色方法は白に対して色が乗せの状態になっていることです。

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描画方法を設定する " Transfer Mode " に[オーバーレイ]のモードがないため、ハイライト効果として生かしたい箇所にも色が乗っかってしまうのがネックです。
ただ一回の Particular 設定ではクリアしませんが、描画方法を変えた2レイヤーで対応すると以下のように回避できます。

▼ハイライト効果を生かした描画設定

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Particular のモーションを確定させた後、パーティクルタイプを " Splite "(オリジナル表示)に戻しグレースケールの描画にする。このレイヤーを複製、複製した Particular 設定でパーティクルタイプを " Splite Fill "(単色に塗りつぶす)に変更してレイヤーの描画モードを[オーバーレイ]に設定するとハイライト効果を生かすことができます。
やはりハイライトが入るとメリハリがでます。
ま、ちょっと面倒いですが、奇しくも Particular の描画パターンの多さが功を奏する結果とも言えましょうか。

さて、こういったランダムカラーは「香り」の表現でもよく使われます。
回転するバラのクリップをグレースケール化して Particular を適用します。


芳香剤などのCMによくある「お部屋に広がるバラの香り〜」の出来上がりです。
真ん中に商品があると仮定すれば、商品を隠さないよう球状に広がるよう放出できたり、レイヤーシェイプから生成させるなど基本的なエミッターコントロールから、V2ではカスタムパーティクルを進行方向に向けさせるよう制御できたり、細かいパーティクルのコントロールまで多彩にこなす優れものです。

▼蝶が進行方向を向くサンプル例

カスタムパーティクルは具体的なイメージばかりでなく、PhotoshopとAEを使用してデザインした光やスターシェイプを断続的に配置して点滅させたコンポジションをカスタムレイヤーとして適用すればキラキラパーティクルも、もちろん可能です。

▼光のカスタムパーティクルサンプル例

エフェクトコントロールの画面を見てもらうと分かるように非常に多くの設定項目が用意されています。位置や回転、サイズ、透明度、色に至るすべての項目で微妙な変化を制御できるランダム調整が備わっているので、「この一粒の位置が気に入らないんだよなぁ〜」とか言い出す口うるさいクライアントやディレクターにも十分対応できるのではないかと考えます。

レスポンスは軽快で旧バージョンより高速化され、時期CS5が正式サポートする64bitにも早々に対応予定なので、通常では描画に時間を要するカスタムサイズであっても問題なくレディ・ゴー!でしょう。

興味がある方はこららからチェックしてみてください。

追記っす。)4月30日にCS5に対応したParticular 2.1がリリースされてます。Check it !


日時: 2010年04月21日 20:08 | パーマリンク


2クリップのカスタムパーティクル化(Trapcode Particular 編)

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続・Trapcode Particular(以下Particular)カスタムパーティクルエフェクトの更なるブラッシュアップ機能を紹介したいと思います。

前回 Particular によるムービークリップを扱うのに便利なランダムループ再生について触れましたが、この再生方法はひとつのムービークリップ素材に最適な再生モードです。
では、2つ以上のクリップ素材をカスタムパーティクルとして適用したい場合はどうでしょう? 単純にパーティクルレイヤーを分け(複製し)てカスタムレイヤーと放出設定を変更するとパッと見は2クリップのカスタムパーティクル表現にみえるかもしれませんが、実際には2Dレイヤーへのエフェクト表現であるため、以下のように前後関係が固定されたパーティクル表現になってしまいます。

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上のレイヤー構成では常にバラのパーティクルが花のパーティクルの下に位置してしまい、よってこの方法は不自然でNGです。

でも、Particular は1回のエフェクト適用によって2クリップ以上を同時にカスタムパーティクル化できる独特の再生機能を持ち合わせているのでカメラ移動による同期などにもバッチリ対応できます。


使用クリップの数は簡単に応用が効くので、まずは2クリップのカスタムパーティクル設定手順を例にご紹介します。

▼ STEP 01
最初にカスタムパーティクル用のムービークリップ素材をひとつのコンポジションにまとめます。どちらもループ素材になっていると都合が良いでしょう。
配置の際の順番はどちらでも構いませんが、各クリップのデュレーション(時間)は均等に合わせておく必要があります。均等なデュレーションにするには時間伸縮で合わせるのが手っ取り早いです。ここでは各クリップが6秒です。
STEP01
▼ STEP 02
さてここが隠された重要なポイントです。
STEP 01でカスタムパーティクル用のコンポジションは2クリップ、6秒+6秒の計12秒がピッタリのデュレーションのはずですが、ここで1フレだけ空白フレームをつけた[0:00:12:01]として[OK]する。
クリップの合計時間にこの空白の1フレを設けるところが重要な訳です。
コンポ名は「particle comp」とします。
STEP02
▼ STEP 03
Particular 設定のための新規コンポジションを作成する。
ここでのコンポジションはパーティクル用の「particle comp」のレイヤー時間がトリミングされないよう[0:00:12:01]より長い時間設定にしておく必要があります。

では、Particular を適用するための新規平面レイヤーと「particle comp」を配置。必要に応じてカメラレイヤーなど追加しておきます。
「particle comp」は非表示、新規平面レイヤーに Particular を適用して次のように設定します。

ポイントは "Time Sampling" で [Split Clip - Loop] を選択した後、その下の "Random Seed" を " 0 " に、"Number of Clips" をクリップ数の " 2 " とします。
これでクリップ数に応じたパーティクル用ムービーを均等に刻んでループ再生してくれます。
STEP03

とまぁ、基本的な流れはざっとこんな具合です。
この方法を用いれば、花と花びらが舞い散るパーティクル効果や、落ち葉と紅葉(もみじ)、イチョウに銀杏?などなど。形状は違えどテイストが近いクリップ同士や回転パターンの違う複数クリップを同時に放出できるので表現の幅が広がります。

ただ、留意点もあるので頭に入れておきたいです。
上記のムービーを繰り返し見てもらうと気づくかもしれませんが、今回のように刻む数が少ないほど同じ再生パターンのパーティクルが目についてしまう点です。
なので、2種類だけのクリップであっても再生ポイントがパーティクル毎で変わって見えるようインポイントをあえて変更し、10セグメントほど設けてみるなどの工夫があった方が良いでしょう。(下図)

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このコンポジションを Particular でカスタムレイヤーに設定して "Number of Clips" を " 10 " としたパーティクル描画はこんな具合です。


前回よりは再生パターンにばらつきが出た感じになります。
ちょっとした手間でクオリティの高い表現になるのは嬉しいのですが、"Number of Clips"の数値が増える程、レンダリングの所要時間が重くなる傾向にあるので増やし過ぎもまた要注意です。

話ついでに各クリップのデュレーションを均等にする際、時間伸縮でクリップをスローモーションにした場合はピクセルモーションのスイッチとフレームブレンドを入れてコマの不足分を滑らかに補ったり、早回しの場合は追加した調整レイヤーに[CC Force Motion Blur]エフェクトを適用してモーションブラーをつけたり、クリップ素材の品質への配慮もお忘れなく。。

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日時: 2010年06月11日 00:39 | パーマリンク


After Effects CS6 エクセレント!

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ご無沙汰しております。
皆さんご存知でしょー。After Effects CS6がリリースされました。祝!
このCS6ですが、かなりエクセレントな出来栄えで、紹介せずにはいられません。

個人的に嬉しいのは3Dの押し出し機能です。
ただ押し出せるものはテキスト&シェイプレイヤーに限定されとります。Illustratorなどのベクターレイヤーの場合はCS6から搭載された[ベクトルレイヤーからシェイプを作成]を使えばシェイプレイヤーに変換できます。でそれから押し出すってな運びです。
で、この機能を使うには必然的にレイトレース3D描画を選択せねば使えません。

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赤枠のところで切り替えできます。で、ライトを加えなければ、

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このようなグラフィカルな描画になります。
これでもなかなかいい感じですが、ライトレイヤーを加えるとレイトレース描画を堪能できます。床の映り込みなんかも出来て、これはもはや半分3Dソフトです。

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ベベルなども付けられるのでTVタイトルなんかAEだけで作れちゃいますね。
ビューポイントもフロントやトップから押し出し描画で編集できるので便利です。

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また、見て下さい。このマテリアル設定項目の増えたこと。。

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ただ、このレイトレース描画ですが、結構重いっす。
まぁそりゃ3Dソフトでいうレイトレースレンダリングを数値変更の都度描画すれば重く感じない訳ないすね。

このCS6を手にした時、これまでのAEマシンスペックの優先順位が変わった気がしましたね。 CS5まで私は以下の順で考えてました。
 1. CPU
 2. メモリ
 3. グラフィック(GPU)
 4. 高速HDD

ところが、CS6以降は
 1. CPU
 2. グラフィック(GPU)
 3. メモリ ↓
 4. 高速HDD

という見解です。

ある意味3Dソフトと同じですね。もちろんメモリはCPUの個数が増える程必要になるのでRAMプレビューも含め、今でも大事なファクターではありますが、レンダリング速度や編集速度を直接速くする体感の重要度は相当高くなるはずです。
既にGPUパワーのパフォーマンス「Adobe Mercury Playback Engine」をPremiere Proで見せつけられているので、こちらの相乗効果もかなり高くなりましたね。Adobe奨励の高価なNVIDIAグラボで作業環境が随分変わると考えます。推測の域なのでこちらは是非、奨励環境下でリポートしたい内容です。

ただ、iMac愛好家の私としては、GPUは痛い部分です。CS6搭載機ではこのようにGPUは機能してないよ。表示になります。

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ん〜しばらくは我慢しますか。

さて、その他の新機能
グローバルパフォーマンスキャッシュや
3Dカメラトラッカーもここでは取り上げませんが、すばらしい出来栄えです。
エクセレント!!
このCS6へのアップグレードは抜きに出てもはや、必修というより義務です。 CS5と6で、できることがこんなに違うか!って話になりますから。
これまでにないお勧めバージョンです。1本ご検討ください。

Check it. (Adobe After Effects サイト)


日時: 2012年05月11日 10:26 | パーマリンク


マテリアルオプション:質感カタログ (After Effects CS6編)

After Effects CS6からサポートされた[レイトレース3D]描画に伴いこれまでは不可能だったメタリックやガラスといったインパクトのある質感表現が可能になりました。質感設定はプロパティが大幅に増えたマテリアルオプションで行います。
このマテリアルオプションに追加されたプロパティ項目を見てみると。。CS5以前のプロパティ名称を踏襲した日本語ローカライズになっているせいか、パッと見何がどう機能するやら理解しがたいというのが本音です。

そこで今回は大幅に進化したものの、理解しづらい質感設定のマテリアルオプションを個人な見解で噛み砕いてご紹介したいと思います。

まずは、分かりやすい作画を用意します。 《 レイヤー構成と初期設定表示 》

SCREEN

ここでは(上図)のように[フラクタルノイズ]エフェクトに色を付けた床と後ろの壁、天井の3つの3D平面レイヤーで構成した空間にシェイプレイヤーを押し出した3つのオブジェクトを重ねるように配置して真ん中の円柱オブジェクト「Target」の質感だけを変更してシミュレートしました。
また、クオリティ品質を左右する[レイトレース画質]はデフォルトの[3]から[5]へと上げています。

SCREEN

では上から順に見てゆきます。

▼[マテリアルオプション]
[アンビエント]…アンビエントライトの影響率。アンビエントライトがなければ[0%]も[100%]も同じ。
[拡散]…受ける光の明るさ。[0%]はレイヤーカラーより暗く、[50%]でレイヤーカラー、[100%]はレイヤーカラーより明るくなる。
[鏡面強度]…ハイライトの濃度。[100%]ほど白く、下がるほど薄れる。
[鏡面光沢]…ハイライトの広さ。[100%]ほど小さく、下がるほど広ろがる。
[金属]…レイヤーカラーがハイライトカラーに与える影響。[100%]はハイライトカラーがレイヤーカラーと同じになる。[0%]はハイライトカラーはライトカラーと同じになる。
[反射強度]…映り込みの強さ。360°の3D環境をオブジェクトに反映する。
[反射シャープネス]…映り込みの鮮明さ。[100%]で完全にくすみない状態。
[反射ロールオフ]…映り込みとレイヤーカラーのバランス。[100%]はレイヤーカラーが反映されない鏡状態。
[透明度]…まんまです。透明度。
[透明度ロールオフ]…設定透明度と陰影のバランス。[0%]は陰影が反映されない状態。
[屈折率]…透明度が設定された時、オブジェクト内で背景が屈折する値。[1.0]は屈折しない値。[1.0]以上で屈折が効く。

と、まぁこんな感じでしょうか。
これらプロパティの理解を踏まえて、レイトレースならではの7種類の代表的な質感に挑戦してみました。好みで振り幅が考えられるプロパティは追記しています。 ▼ ゴールド

SCREEN
▼ シルバー

SCREEN
ゴールドとは設定カラーの違いだけで、マテリアルオプションの各プロパティはすべて同じです。 ▼ クロム

SCREEN
▼ ガラス

SCREEN
▼ ミラー

SCREEN
▼ 鏡面プラスチック

SCREEN
映り込みの[反射強度]はお好みで5〜15%間が目安。 ▼ 半透明プラスチック

SCREEN
くすんだ映り込み具合はお好みで。

やはり透明や屈折、映り込みなどが入るガラスの質感が描画に一番時間がかかるでしょうか。 HDサイズのアニメーションとなるとGPUが効いたレンダリングのできない環境下ではそれなりの覚悟が必要になってきますね。

まぁ作業環境はさておき、個人的には大いに歓迎すべき機能である反面、これまでのAfter Effectsにない3Dスキルが必要になるかもしれません。
これまではアクティブカメラに映るものだけを気にしていれば良かった訳ですが、質感表現を重視すると360°の3D環境に気を配る必要がありそうです。

その360°の3D環境を補助してくれるのがこれまたCS6でサポートする環境マップなるものです。CS6は覚える事が盛りだくさんすな!
次回はその環境レイヤーをピックアップしてみますか。


日時: 2012年06月21日 05:14 | パーマリンク